賃貸の部屋探しで不動産会社を訪れるときには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか?
特に決められたルールはありませんが、部屋を借りる際には入居審査があるため、マイナスイメージを持たれないような常識的な大人としての振る舞いが求められます。そこで、不動産会社を訪問する際のマナーや注意点について説明していきます。
予約をしてからの方が無駄がない
部屋探しで不動産会社を訪問すると、希望の条件を詳しく聞き取り、それに見合った物件を探し、図面を見ていくつかの候補を選び、一通りの説明があり、内見したい物件へ車で連れて行ってもらうことになります。
つまり担当者は、一人のお客さんに、少なくとも一時間はかかりっきりになります。来店するお客さんが重なったときには、一人ひとりに十分な対応ができないこともあるでしょう。
そんな時は予約のお客さんが優先になりますし、飛び込みのお客さんは先着順に受け付けて対応します。訪れる時間帯によっては、希望の条件を用紙に記入しただけで帰らざるを得ないことも考えられます。
そのため、事前に予約を取ってから出かけることが、不動産会社にとっても自分にとってもプラスになります。
大体の希望を伝えておくと、当日もスムーズ
まず、住みたいエリアの不動産会社に、訪問日時の予約を取ります。自分の希望する日程を、いくつか用意しておいてください。
その際に、「どんな物件をお探しですか」と希望を聞かれることが多いです。おおまかで良いので、家賃の予算や部屋数、使いたい駅、駅から徒歩何分以内などの希望を伝えておきましょう。
候補の物件をいくつか探しておいてくれます。自社所有の物件がなければ、近隣の不動産会社に声をかけて見つけてくれることもあります。
希望物件があれば、「成約済み」でないか確認
賃貸情報サイトで見つけた物件を内見したい場合は、その物件がまだ空いているかどうかを確かめておきましょう。せっかくお互いに日時を予定していても、目当ての物件に行けず、しかも似たような物件の候補がないと、時間が無駄になってしまいます。
時間を守ろう、遅れるときは連絡を
日時を予約している場合で、当日電車の遅延やなんらかの事情で約束の時間に間に合わそうにないときは、速やかに連絡を入れましょう。社会のルールやマナーが守れる人かどうかというのは、この時点から見られています。
身なりや言動に注意する
「外見で人は判断できない、自分は中身で勝負したい」と主張しても、初対面の相手が受ける第一印象は大切です。不動産会社を訪れる際は、常識的な服装で出かけましょう。
スーツを着る必要はありませんが、ラフでカジュアルすぎる部屋着や露出の多い服装、ジャラジャラのアクセサリー類は避けましょう。また、一緒に付き添ってもらう人にも、服装に気を使ってもらいましょう。
近隣トラブルなど問題を起こさないか見られている
服装や外見に気をつけるべき理由は、不動産会社の担当者が、その部屋に住むことになる人がどのような人か見極めたいからです。以前から住んでいる入居者に迷惑をかけることなく、共同生活ができそうな人かどうかを判断する材料になります。
ゴミを決められた日にきちんと分別して出せる人か、夜間に大きな音で音楽を聴いたり、友達を大勢招いて明け方近くまで大騒ぎしたりしないかどうか、周囲とのトラブルを起こさない人かどうかなどを、大家は気にします。そのため、大家に伝える役割を担う不動産会社の担当者は、細かくチェックする傾向にあります。
本人の交友関係も重視している
服装や言動によって、ある程度その人や交友関係を想像し、判断することができます。例えば、大勢の仲間がバイクのエンジンをふかしながら集まってくるタイプの人だと、それまで静かだった住宅地に騒音トラブルが起きてしまいます。また、夜中に集まって部屋で一晩中大騒ぎされるのも、迷惑行為になります。
一度入居が決まると、なかなか出て行ってもらうことが難しいため、事前に人物像や交友関係もよく観察されます。
印象が悪いと、入居審査に影響することも
不動産会社での受け答えや、内見時に行動を共にした様子から人柄がわかります。ここでマイナスイメージを持たれると、申し込み後の入居審査で引っかかってしまい、その部屋が借りられなくなることもあります。
入居審査に落ちた原因を尋ねても、本当のことを教えてもらえません。そうならないためにも、落ち着いた大人の常識的な振る舞いを心がけましょう。
自分の希望の優先順位を明確にしておこう
住みたい部屋の希望は、ある程度の条件と優先順位を考えておきましょう。「●●駅利用のワンルームで、家賃50,000円」というだけでは、おすすめする物件が絞り込めません。さらに踏み込んで、「駅から徒歩何分以内、木造でも構わない、●階、築●年以内」など、大体の条件を明確にしておくと良いでしょう。
そして、物件の候補数に応じて、条件を増やしたり減らしたりすることになります。譲れる部分や譲れない部分、優先順位を考えておくと、不動産会社の窓口でいくつも図面を並べて長い時間悩まずにすみます。
条件を細かくいくつも提示しないこと
光ファイバーが通っていて、安く品揃えの良いスーパーから300メートル以内、おしゃれなカフェや大型書店のあるショッピングモールが近ければなお良し、駐車場付きで、晴れた日は自転車も乗りたいので道幅が広くアップダウンがないところ、美味しくて安い定食屋が近くにあれば最高、なんて細かい条件をいくつも提示していると、キリがありません。
重視するのは物件そのものか立地か家賃か、希望をはっきりさせておきましょう。あまりわがままを言っていると、「その予算では無理です」と言われてしまうので、気をつけてください。
訪れる前に物件相場を見ておこう
事前にインターネットで希望するエリアの物件相場を調べておくと、わがままは言えなくなります。その不動産会社で扱う物件が、世間の相場よりも高いか安いかというのは、知っておいた方が良いでしょう。
なかには、「敷金礼金0円」として、その分を家賃に均等に上乗せしている物件もあります。相場を知っていると、そうした事情も見抜くことができます。
不動産会社がおすすめする物件も見てみよう
インターネットの賃貸情報サイトで見つけた物件をいくつか内見したいと、あらかじめ希望を決めておくのも良いです。一方で、不動産会社が所有している物件で、インターネットに公開していない優良物件もあるので、紹介してもらったら、ぜひ見せてもらいましょう。
決して、怪しい物件ということはありません。なかには、宣伝費をかけて広く公開しなくても、すぐに借り手が付くような掘り出し物件もあります。そのため、担当者が紹介してくれる物件についても、間取り図を見ながら説明を聞いてみることをおすすめします。
急いで決めたいときは、必要書類を前もって準備
遠方の不動産会社を訪れる場合で、付き添いの人と一緒に往復する交通費もばかにならないようなときは、申し込みまで一日で終わらせたいと思う人も多いでしょう。契約に必要な書類を郵送でやり取りすると、入居審査の結果が出て本契約に至るまでに、随分と日数がかかってしまうことも考えられます。
遠方で何度も来られなければ、すぐに申し込みも
例えば、国公立の後期日程の発表待ちの場合、かなり急がなければなりません。入学式までに確実に引越しをすませたいなら、申し込みの際に必要となる書類を事前に調べて、準備できるものは持って行くことが望ましいです。
連帯保証人になってもらう人にも、事前に了承を得る
契約者が自分名義なら保証人は親で良いですが、未成年なら親が契約者になることも多いでしょう。その際は、別に連帯保証人を立てる必要があります。
保証会社を利用するのではなく、連帯保証人を立てる場合は、部屋が決まってから保証人探しをしていると、契約までに日数を要してしまいます。保証人になってもらえる人に事前に承諾を得ておき、必要となる印鑑証明や住民票の手配を早めにお願いしておくと良いでしょう。
メジャーやカメラを持参すると良い
物件がほぼ決まれば、必要になるカーテンのサイズを測っておくことをおすすめします。窓の大きさは、規格が何種類かに決まっているので、そのサイズに応じた市販のカーテンを選ぶことになります。カーテンレールの長さと窓の縦横のサイズを測っておくと、適したものが購入できます。メジャーを持って行きましょう。
また、室内や収納、玄関前、階段や通路などの写真を撮っておくと、引越し業者に立地などを説明するのに便利です。
不動産会社を飛び込みで訪問しても、担当者の手が空いていれば対応してもらえることが多いです。しかし、効率よく物件の内見をしたいなら、事前の予約は必須です。遠方からわざわざ見に行く場合は、必ず予約をしてから出向くことをおすすめします。その際には、常識的な服装や態度で臨むことを心がけましょう。